《《「こびとさん」的なものが「いる」と思っている人
と思っていない人がいる。
「こびとさん」がいて、いつもこつこつ働いてくれ
ているおかげで自分の心身が今日も順調に
活動しているのだと思っている人は、
「どうやったら『こびとさん』は明日も機嫌良く
仕事をしてくれるだろう」と考える。
暴飲暴食を控え、夜はぐっすり眠り、適度の運動
をして・・・くらいのことはとりあえずしてみる。
それが有効かどうかわからないけれど、身体的
リソースを「私」が使い切ってしまうと、「こびとさん」
のシェアが減るかもしれないというふうには考える。
「こびとさん」なんかいなくて、自分の労働はまるごと
自分の努力の成果であり、それゆえ、自分の労働
がうみだした利益を私はすべて占有する権利が
あると思っている人はそんなことを考えない。
けれども、自分の労働を無言でサポートしてくれて
いるものに対する感謝の気持ちを忘れて、活動が
もたらすものをすべて占有的に享受し、費消して
いると、そのうちサポートはなくなる。
「こびとさん」が餓死してしまったのである。
知的な人が陥る「スランプ」の多くは「こびとさん
の死」のことである。
「こびとさん」へのフィードを忘れたことで、
「自分の手持ちのものしか手元にない」状態に置き
去りにされることがスランプである。
スランプというのは「自分にできることができなくなる」
わけではない。
「自分にできること」はいつだってできる。
そうではなくて「自分にできるはずがないのにも
かかわらず、できていたこと」ができなくなるのが
「スランプ」なのである。それはそれまで「こびとさん」
がしていてくれた仕事だったのである。》》
『内田樹の研究室』より抜粋
コバーンのセットリスト
Shadow Of Your Smile *1
一つになろうよ
かっこわらう
婚姻制度
Down Town Club *2
フェミニスト
スタントマン
*1 インスト。映画『いそしぎ』より
*2 織田哲郎カバー
タイバンの方が皆さん大変自分のカラーを持って
いて、感心しました。
いい刺激になりました。
ご来場の皆さん、ありがとうございました!