
Beware of Moving Wax dollの阿久津です。
はじめまして。
ギタリストへのアンケートをぼくにしていただけるという
事なので、正直にいろいろ答えさせていただきます。
よろしくお願いします。
でははじめます!
A ギターの魅力とは何でしょうか?
○魅力というより、ぼくには魔力です。もう金銭的に
辛いからやめようと思っても、またアンサンブルの中
でギターが弾きたくなってしまう…。
ギターに限らずどの楽器でも同じかと思いますが、
過去にプレイで感動を感じてもらえた方が居られ
たりすると、やはり、もう一度…という気持ちになります。
B いいギタリストとはつまり何ですか?
良い悪いの判断基準は?
どの辺に着目して聴き、見てるのでしょうか?
○良い悪いという評価は好き嫌いの好みに劣る
ものと考えているので、自分の感覚のみを記します。
ぼくがなりたいと思っているスタイルとご理解いただき、
その逆をどんなに優れていても自分の進むべき
方向ではないものと考えていると解してください。
なるべく単一の音色で、いわゆるポップスと言われ
る音楽全般をなんとかクリアし、違和感なくプレイ
し、かつ、そこそこ存在感があるギタリストです。
その時々のリズムは敏感に活用しつつも、自分の
スタイルは保つというようなスタンスのプレイヤー
ですね。
C ギターを始めた頃を振り返って、得意だったこと、
苦手だったことは何ですか?(更にビギナーさんに
アドバイスをお願いします)
○苦手だったのは弦をはる作業です。
得意だったのは、そんなわけで、面倒なので、
酷いと3弦1本だけしかはらずに弾いて遊んで
いたため、人差し指での解放弦とのトリルです(笑)
利用価値、低いです!
アドバイスという事ですので、少しでも上手くなりたい、
これ以上下手になりたくないと思ったとすれば、面倒
でもスケール練習(ドレミファ)は毎日やった方が良いと
思います。スケール練習はネックを握る手の人差し指
から小指までまんべんなく使い、ピッキングとのピッチ
をピッタリに合わせるためのウォーミングアップになり
ますので、ギター弾こうかな…と思ったら、1分でも良い
ので軽くスケール練習してピッチを整えてから弾くこと
をお勧めします。
ただし、下手でい続けることが自分のスタイルだし、
ちゃんとピッキング出来ない方がカッコいいとお考えの
方は無視してください。
ギターを弾くことの意義は人それぞれだし、必ずしも
上手いから良いとは限らないと思います。
それから、自分が要らない不必要なコピー品になって
しまうのを防ぐために、憧れのギタリストの嫌いな部分
(自分ならここはこうしたくない等)をイメージし、なぜその
方が良いと感じるのかを考えてみてください。
同じギタリストを数人が良いと思ったとして、その数人
は全く同じプレイの醍醐味を楽しんでいるとは限らず、
同じフレーズのコピーであっても、気に入った点と気に
入らなかった点を意識すること、そしてそれを統計的に
自分が感じる考え方としてストックすることで、個性は
自然に向き不向きと好き嫌いのギャップの中で作られ
ていくことでしょう。
D ギターを始めて2~3年の時期と現在とで最も
異なる点は何?
○正直、あまり変わってないのですが、ギターって、最初の
1年が凄く伸びるかダメなのかで決まってしまうように感じ
ます。
ぼくがはじめて2~3年の時代は1975~1976年くらいです
から、ワウワウとファズしかなかった時代からディストーション
が発売された時代なので、いろいろなエフェクターや新しい
楽器などから来るインスピレーションとかは変わっている
ところかもしれませんね。
また、当時は1960~1976年までのエレキギターサウンドにし
か興味を持たなかったわけですが、その後、民族楽器に
興味をもったため、それらのイメージがブルースやロックン
ロール、和製洋楽ポップスで出来上がった自分自分の脳
に影響を加味している部分はあるかもしれません。
E 曲を作る(=創作する)自分と、歌ったりギター弾く
(=パフォーマンスする)自分とは、どの程度同じ
自分なのですか?
○むつかしいですね。
合わせて、プロデュース側の自分も入れると3人の自分
かもしれませんね。
ギターを弾く自分は案外安直で、与えられた企画の中で
楽しく弾くとしか考えていないし、かなり現場主義的です。
曲づくりや企画は、案外当たり前でありながら、世の中に
ありそうでないものを捜している気がします。人格は同じ
自分ですが、嗜好も考え方もギターを弾く自分とはかなり
違う自分のようです。もしかしたら、ギターを弾いていく上で
諦めた自分の部分が生き続けているのかもしれませんね。
いわば、企画側の自分が頭に描いた音楽とイメージを、
他のメンバーや自分自身がプレイヤーとして個人の許容
範囲内で実践(チャレンジ)しようとする…という感じでしょ
うか…。
F ギターは時代遅れだと思いますか?将来的には、
流行って行くのか
廃れていくのか、それはどう思いますか?
○海外はそうでもないようですが、日本はアコースティック
ギター人口は増加、エレキギター人口は減少の傾向は
ありますよね。
ベンチャーズのブームからはじまった日本のエレキブーム
なだけに、ボーカル無しでメロディをエレキで…という文化は
終わったかなと思います。
けれども、黎明期のロックにロックの基本を置く限りはエレキ
ギターは朽ちないとも思っています。
でも、何より歌メロが好きな日本人ですから、弾き語りを中心
としたフォークギターが主、エレキギターは減って行く傾向は
続くだろうなと思います。
G 音楽をやって行く上で、何が大切でしょうか?
いいミュージシャンになるための、要素、性格、資質、努力の
方向、はどんなものだと思いますか?
○要素~資質については多分に時代の観念もあると思う
のでぼくにはわかりません。
努力の方向については何となくイメージがあります。
それは、実践する場では合理主義でも、法則やルールは、
回り道をしても方法を理解するだけなく、自分なりに何故
なのかを探るべきだと思うこと。
結果的には、自然に自分がやっている事に理由を持ち、
好きな音楽が歴史の中でどう過去とつながり生まれて来た
のか、それらの影響として、どの部分が継承されたのか、
どの部分が継承されなかったのかに興味を持つでしょう。
そして自分自身に当てはめ、自分が好きだと思っていた
スタイルと、本来自分が影響を受けたスタイル等との
ギャップを知ることでしょう。
そこから自分らしさが創造していけるのではないでしょうか。
H ステージ(=ライブ)での口パク、アテ振り、についてどう
思いますか?
○口バクは難しいですよね。
画面アップにしたらバレちゃうから、何百回やっても録音物
と違和感無いようにピタッとあわせることが出来るのは、
それだけ完璧にいつでも同じように出来るからだと思います。
だから口バクは否定しません。
そのライブが、演奏のダイレクト感を中心としたものなのか、
テレビ録画やステージで踊り中心等かによって使いわける
必要は感じますが、まさか、宇宙空間でギター弾いたり、
いろいろな場面やシーンが交錯するプロモーションビデオも
口パク無しでやるべきだとは誰も思わないでしょうし、その
ライブが中心とする意義や、演奏曲数にて、一番良い手段
を選ぶべきかと思います。
ちなみにぼくらはドラマーとキーボードプレイヤーが居ないので、
予め打ち込みで作ったドラムにギターシンセでキーボードに
あたるプレイをしたテイクをオケとして使い、ボーカル、ギター、
ベースは生で演奏するスタイルでライブをやっていきます。
I もしも自分が爆発的に売れたら何をしますか?
変節しますか?
○根幹が変節することは死ぬまでないのではないかと思い
ますが、売れる売れない関係なく、アプローチ方法はドンドン
実験的に変化させます。
爆発的に売れたら、とりあえず、こうすれば自分にとって理想
だと感じるギターのイメージがあるので、KEYオリジナルの
女の子用ギターをベースにして作るオリジナルものを1本特注
し、ブラックスターの1wギターアンプにボリュームペダルを挿せる
よう、エフェクトループを付け、トーンを追加したものを特注します。
同様に思いついた5~6万以下の楽器のアイディアで使い勝手
の良い楽器をプロデュースし、実例実践しながら売ります(夢)(笑)。
あとは家買うかな…。
あんまり儲かったなら、福祉的な支出もきちんとしないと人として
いけませんね…。
J ギターの名演といえば、レコード、CDでいうとベスト3は何の
曲でしょう。
○名演っていうとよくわからないけど、ぼくに与えた影響の強い
3曲をあげさせてもらいます。
上位2曲はすんなり出ましたが、3曲めは、本当は30曲くらい
あります…。
1. 愛にさよならを(カーペンターズ)
2.スリルイスゴーン(B.B.キング)
3.ハートブレイカー(グランドファンクレイルロード)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ロックというのは限りなくうるさい音楽だと思っている方は是非
この Beware of Moving Wax doll というユニットを
聴いて見てください。
くっきりダイナミズムがありながら全くうるさくない!という、一種
とても奇妙な異次元空間を感じるでしょう。
ここ三年はわしはライブを見てないのですが、童話のような
ストーリーを創作して、それぞれの曲がその物語の断片に
なっていてコンセプト的に全体が構成されているという、非常
に凝った事をやっているユニットです。
左利きでネックをほぼ水平に構えた阿久津雅一のプレイは
大変流麗でまさしくアートといえるでしょう!
アコギではまず表現できないテヌートなメロディが聴けます。
新作組曲をiTunesにて発売中
久しぶりにタイバンが決まり、すごく楽しみにしています。
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