20本ほどギターを所有するあるギタリストいわく
「楽器屋でギター弾く段階ではそこで問題ない限り
すでにそれを買うつもりで試奏する」
その人が試奏する現場が是非みたいとわしは思った。
ミュージシャンというのはお互いの作品やらスキル
を認め合ってる同士は仲が良いけど、たまたま居合
わせた人同士はあまり本心は言わないものである。
ところが「楽器屋で試奏」するとたちまちその人の
性格が分かるような気がするから不思議である。
#試奏に至るまでの態度
:ヴィンテージギターの前にしばし陣取り店員が通り
かかるや、「これって~」とまずは聞いてから後に
自然に試奏に至ろうとする人
=確かにまともなギター弾きには見えます。こういう
人はそれを何より重んじるのでしょう。実際にうまい
人が多いです。弾くのは大抵ブルースっぽいもの。
:ギブソン、フェンダーの「安くは無いがほどほど」
のギターを選択して店員に歩み寄って試奏に至る人
=世の中にある、本屋、楽器屋での人間観察という
趣味はこの種の人たちを見るのが楽しいのです。
何故「ほどほど」を選んだのか?ほどほどの腕だから?
試奏というのはヘンな状況です。ライブじゃないので
誰も聴く義理は無いのですがやる側はそれこそ2~3分
で自己証明をしなくてはとばかり普段家でやってる
とっておきのフレーズを垂れ流してきます。
だから「試奏名人」なんて揶揄される人も多数います。
もちろん試奏名人ではない本当にクールな人もいます。
この種の中で超絶な人を見ると「う。まいった」です。
:どれということも無くぼんやりと一角を眺めていて、
店員が「何か気に入ったのがあったら試奏できます」
と言ったらのんびりと「え~、じゃあこれ弾かせて」
と試奏に至る人
=この種の人はいかに長く試奏できるかをずるーく考え
抜いてる人です。店員が弾いてよしという方が長く弾ける
からです。弾き始めるや一瞬の内に豹変して
無我の境地に
ハマりこむ人もいます。さらに今夜演奏するのに自分の
ギターがないから試奏と称してウォーミングアップする
芸当をするのもこの人種で、威張るわけじゃないけど
わしもこの集合に入ってます。
#店員が「いかがでしょうか?」と、暗にもう止めろと
言ってきたときの態度
:ヴィンテージ愛好家はそこで試奏を止めて能書きタイム
に突入する。ものなんですね、なぜだかね!?
店員も能書き言うのが商売なものだから端で聞いていて
退屈なのでわしは場を離れます。
:ほどほど人種はあまり引っ張ることをしません。
そこはとても好感もてます。「演奏もほどほどだなー」
なんて見ているとあっさりと買ったりする。わしなどは
「そんなに簡単に買っていいのかよ~」と胸中で毒づき
ます。「この人うまいわー」と感じる人はまず買わない
様子です。やはり上級者はほどほどではイヤでしょう。
:ギター小僧に豹変した人を見て店員は最初は「ん?」
という顔をしますがやはり彼らも商売で見慣れてるので
初めから買う気が無いんだろうくらいは見抜きます。
長い場合でも15分程度で「いかがですかー?」がくる。
そこからは店員とギター小僧の戦いです。
ギ「うん、ディストーションもかけてみます」さらに弾く
店「どうでしょう?」
ギ「和音がヘンに混じるなー」さらに弾く
店「どうでしょう?」
ギ「やっぱりコードはクリーンがいいかんじ」さらに弾く
あげく、「ありがとうございました少し検討します」
と言って颯爽と去ってゆく。
みなさんも時間が余って困ったら(?)楽器屋で試奏
する人々の生態をじっくり冷徹に観察するのも結構
面白いのではないかと思います。
わしは一度、いい気分で試奏してたら、女子二人組が
話しかけてきて、さらにいい気分になり、スタバでお茶
して、あげく宗教の集会に連れて行かれた事があります。
ギターは人から冷静さを奪う、憎いヤツですかね。
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オフラインでお会いしたいと思います。きてください。